こんばんは、しばらく更新が遅れてしまっていました…。
今日はまずお知らせから!
すでにご確認の方も多いかもしれませんが、公式サイトにエントリーシート、ならびにエントリーについての説明を追加しました(遅くなって申し訳ございません)。
これから何度もお伝えすると思いますが笑、エントリー期限は5月1日(火)までです!忘れないうちにエントリーを!
それでは本題に。今日は、前回の記事の最後で予告した通り、調査を通して地図が出来上がるまでのお話です。
今年の地図については競技情報になってしまうので、写真をあまりお見せすることができないのですが、そこはご容赦ください。。
①GPS入れ
地図調査を経験されたことのない方にとっては、いきなり何のこと?と思われるかもしれないので、ちょっと詳しめに。
1からテレインの地図を書くと言っても、白い紙だけ渡され、山に投げ出されて書ける人はおそらくいません。
等高線については、基盤地図情報といって、国土地理院が提供してくれているデータがあり、かなり正確にテレイン内の地形を知ることができています。加えて、赤城のような旧図があるテレインでは、それを参考にすることができます。
それでも、正確なオリエンテーリング用の地図を書くためには、調査者が目印にして、作図の参考にできる確定点が必要になります。
そのために、「専用の機械を使い、山の中でGPSの位置情報を取得する→その場所に目印のすずらんテープを巻く→位置情報を取得した点を調査原図上に反映する」というステップを行います(ちょっと複雑でわかりづらいですね)。
②作図
GPSの入った地図を元に、どんどん地図を書いて描いていきます。
調査者は、透明の板の上に調査原図を貼り、さらにその上から耐水紙を貼った「ボード」と呼ばれるものを持って、自分の作図範囲に入ります。
耐水紙の下の原図も参考に、やぶなどの植生、こぶや穴などの特徴物、そして等高線の微妙な表現を耐水紙に描き込んでいきます。
頼りになるのは、地図上にプロットしたGPS点の位置、コンパスによる方角の情報、そして歩く幅を使って測った(歩測)距離の長さのみ。
山での調査が終わると、今度は耐水紙に書き込んだ内容をトレーシングペーパーに書き写します。ここまでが作図の基本部分といえるかもしれません。
③反映
ここまでは一調査者の仕事でしたが、この「反映」は少し特殊。というのも、作図責任者(マッパー)が基本的に1人でする仕事だからです。
調査者がトレーシングペーパーに完成させた調査結果の清書(クリーンという)をスキャンしてパソコンに取り込み、Ocadというソフト上で実際に地図を書いていくのがその仕事。
調査中、たくさんの調査者が1日かけて描いてきたクリーンをパソコン上でデータ化するのに、マッパーは夜通しパソコンと向き合うことになります。
④修正
入った範囲の地図を一度で完璧に描くことができれば苦労はしないのですが、残念ながら正確な地図を描くのはそれほど簡単ではありません。
より正しい地図にするために、地図の表現に違和感があるところの情報を集約し、それに基づいて修正調査が行われます。
以上②〜④が繰り返されることにより、地図の完成度が少しずつ高められていくのです。
⑤基準合わせ
最後に一番大事なのがこれ。何人もで分担して作図した特徴物の基準を合わせる作業です。
一番わかりやすい例が、やぶの基準。このやぶはBやぶ?それともCやぶ?というのを、基準を統一する担当の人が実際にやぶに入って決めます。
こうして他にも溝ときれつの区別、崖かどうか、道のランクなど、テレイン内の特徴物の描かれ方に統一が生まれます。
⑥最終調整
マッパーが以上の反映を全て終え、地図のレイアウト、枠線や題字が決定すると、地図はようやく完成を見ることになります。
いかがでしたでしょうか?
「地図を描く」というと、何か凄い技術を駆使した華々しいことのように聞こえるかもしれませんですが、実際には多くの人の地道な試行錯誤と努力の積み重ねに過ぎません。
私たちが提供できるのは、プロマッパーの方が描くような完璧な地図ではないかもしれませんが、長い期間をかけて描いてきた分、思いのこもった地図になっているはず。
当日、参加者の皆さんに満足していただける地図になるよう、残りの調査も頑張ります!
それでは、引き続きよろしくお願いします。