イベントアドバイザーからみたOLK大会~大会後記③~

お久しぶりです!全日本大会も終わり、日本のオリエンテーリングシーズンも、夏前にひと段落という時期かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?

 

OLK大会の当日からは、実に二週間以上も経ってしましましたが、大会は終わっても、大会ブログは終わらない!!ということで、きょうお届けするのは、大会を支えてくださった、イベントアドバイザーの西脇正展さん(以下、西脇さん)のインタビュー記事!

 

イベントアドバイザーの立場からの、今大会の振り返りや、OLKのOBでもある西脇さんから見たOLK大会について、ざっくばらんに語っていただきました!

(大会責任者の高見澤にも同席してもらいました。)


―よろしくお願いします。初めに、今回イベントアドバイザー(以下EA)を引き受けることになった経緯というものについて伺いたいのですが。

 

西脇さん:引き受けるというか、選ばれたというか…。

 

高見澤:例年コントローラーをお願いするのとは違って、公認大会のEAということで、候補が限られていました。

お会いしやすさを重視して、東京で登録している人ということと、EAの資格を取り立ての人より、何年もやっている人がいいなあと思っていて。

その中で、前回の東日本大会のEAだった西脇さんに、東日本大会のことについて聞けるかもしれないなと思って、お願いすることにしました。

 

西脇さん:あの結局開催されなかった大会ね。

 

―結局、東日本大会だからこそのEAとしての業務というのはあったのですか?

 

西脇さん:何もなかったです笑。クラスをあまり統合したくないというのはありましたが。

 

高見澤:本当は、表彰の時に、東日本選手権であることをアピールするとかしたかったんだけど…

 

―西脇さんご自身は、EAの依頼を受けて、どのように思われましたか?

 

西脇さん:実は、(大会責任者の高見澤)本人から連絡が来る前に、(JOAの)用紙か何かで、指定されていることは知っていました。先に個人への連絡もなかったので、ちょっと驚いたという感じです。

 

―なるほど、例年に比べると特殊な選ばれ方という感じがしますね。

 

高見澤:言い方は悪いけど、公認大会であることで、そもそもの候補が絞られているので、選ぶ手間が省けたというのはあるかもしれない笑

 

西脇さん:他大から選んでいることが多いという話は聞いたことがありますが。

 

高見澤:身内の方がOLK大会のことがわかっているのでやりやすいという反面、外部出身の人の意見を入れるのがEAのあるべき姿なんじゃないかというのもあって、一長一短だと思っています。

 

西脇さん:(OLKの代が)離れているならいい、みたいな話もあったと思うけれど。

 

―それでいうと、西脇さんは以前にもOLK大会のコントローラーを務めていらしたと思うのですが…。

 

西脇さん:「りんごの里」でやった、24回大会の時ですね。あの頃は、コントローラーといっても、コースコントローラーみたいなイメージが強くて、大会全体を見るという感じではなかったというのもあるのですが。

 

高見澤:今回は大会全体、いろいろなところで面倒を見ていただいたなと思います。

 

西脇さん:立て看板とか、さっき話が出た表彰状とかは、サボったというか笑、事前準備で出来上がっているのだろうなあとわかっていたので、あまり見ていなかったのですが。

そういう意味では、OLK大会についてあまり知らないOLK外部の人がコントローラーをやるのは大変なのかな、と思います。事前準備を学生会館(東大の駒場キャンパスにある)でやっていることとかは知らないだろうし。

 

事前準備の様子。 立て看板や賞状の作成のほかにも、会場で渡すゼッケン袋を作ったり、事前の打ち合わせなど様々な準備が進められます。

 

―そうすると、例年、外部のコントローラーの人は苦労しているってことなんですかね?

 

高見澤:例年のコントローラーの人はあまり突っ込まないというか、調査に1,2回来て地図の仕上がりを確かめたり、コースを確認したり、割とコースコントローラーに近いイメージなのかなあと。

 

西脇さん:そうすると今年はだいぶ口を出した方ってことかな笑

でも、公認大会だから、というのはあると思います。スタートリストとかも、公認大会でなければあそこまで色々指摘しなかったと思いますし。

 

―引継ぎ通りにいかないことが多くて大変でした笑

(注:インタビュアーはスタートパートチーフも務めており、スタートリストを作成しました)

 

西脇さん:「家族でスタート時刻を近くしてほしい、離してほしい」のような、普通の大会であれば聞き入れる要望も、公認大会に求められる公平性と両立するのは難しい部分もありますね。

 

―話は変わりますが、ご自身が第20回OLK大会の運営にかかわっていらしたということで、その時の思い出や、今のOLK大会と比べて感じることはありますか?

 

以前も一度紹介した20回大会@倉渕の地図。作図者のところには西脇さんの名が。

 

西脇さん:調査のやり方は変わってないですね。やぶの基準を統一する人に「藪大臣」という名前がついてはいなかったですけど。

 

高見澤:食事とかの面は…?

 

西脇さん:同じく、泊まって自分たちで作っていました。あと、20回大会は倉渕でやったのですが、その時も駅からのバス輸送をやっていました。

全体として、OLK大会としてのベースは変わっていないのかなと思います。レーザー測量のデータとか、GPSがだいぶ入るようになったことで、調査のやり方は少しずつ変わってきたけれども。

 

―Ocadが作図に導入されたのも西脇さんの時の大会からだと聞いているのですが。

 

西脇さん:そうですね、Ocadを入れるならマッパーをやると言ったので笑

 

―そのころも、調査者がそれぞれ描いてきたクリーンをマッパーが一人で反映するというのは変わっていないのですか?

 

西脇さん:それも同じですね。ただ、Ocadが導入される前は、マッパーが手書きで大きな紙に地図を清書していたので、また違った苦労があったと思います。

あとは、運営者が多いこととか、参加者の規模なんかも変わっていないのかなと。

 

―長い歴史の中で、やはり変わっていない部分は多いのですね。その点、インカレなど、数々のオリエンテーリングの大会に関わってこられて、OLK大会に特有というか、変わっている要素というのは感じられますか?

 

西脇さん:変わっている、というと難しいけれど、OLK大会は運営人数が多いことを前提にした運営形態になっているなと思います。会場とか、駐車場とか、人数が少ないと省かれてしまうところにも人を割いていたり、会場で靴袋を手渡してくれたり。

 

高見澤:あれは良く言われる点ですよね。僕たちもOBOGさんに、「靴袋を手渡ししてくれるのは、OLK大会が人員に余裕がある証拠だ」みたいなことを言われた気がします。

 

今年の開場の様子。右で運営者が靴袋を配っています。

 

西脇さん:あとOBOGの参加が多いところ。その人たちが久々に来る人が多いので、MASSクラスがあったり、あと今年はチャレンジクラスを設けたりしたよね。運営的には(チャレンジクラスの設置は)負担だったと思うけど。

 

―確かに、スタートリストの面や単純にクラス数が増えることで大変だった部分は多かったのかなと思います。

 

西脇さん:そうだよね。逆に言うと、そのくらいしてでもOBOGに参加してもらいたい、という意識があるというのは特徴かもしれないですね。

 

―また別の話になりますが、EAの資格をお持ちであったり、JOAで競技委員を務められたりなど、大学卒業後もオリエンテーリングに関わり続けることになった経緯を教えていただけますか。

 

西脇さん:流れというか、成り行きというのが大きいですね。一番長くやっているのが、学連の技術委員長を7~8年やっていて、インカレのEAを数年連続でやったりして。

 

―2000年代初頭のころですね。

 

西脇さん:その流れでなんとなく抜けられなくなって笑、2005年からJOAの強化委員、途中で競技委員もやるようになりました。

インカレの運営なんかをしていると、いろんなところに知り合いができて、それで続けられている、というのはありますね。

 

高見澤:同世代でまだオリエンテーリングを続けている方というのはいらっしゃるのですか?

 

西脇さん:まったく同い年だと、関西の金谷とか、篠原とか。一個下だと紺野とか、あとは二個下にMulkaの作者の的場がいます。

 

―最後になりますが、大会後のミーティングで、「大会運営に興味がある人はぜひEAの資格を」みたいなことをおっしゃっていたと思うのですが、一口に言って大会運営の魅力はどういうことにあるとお考えですか?

 

西脇さん:あれは冗談みたいなものだけど笑

なんだろう、みんなで何かを作り上げるのは大変だけど楽しいし、うまくやり遂げられられると達成感があるということでしょうか。

ただ、誰かに負担が集中したり、嫌な気分になったりするようだと、いろいろ破綻してしまうと思うので、そこをうまくフォローできるかが大事なのかなと思います。

 

高見澤:オリエンテーリングじゃなきゃここまでできないというのはあるかな、と思っていて。

マイナーなスポーツであるからこそ、競技で上を目指しつつ、大会のような大規模なイベントの運営にも関われるのかなと。

 

―全体の規模としては小さい分、どちらも両立できるという。

 

西脇さん:ギブアンドテイクみたいな面もあるかもしれないですね。

あとは、一番大変なのはやはり地図調査だと思うのですが、そこを外注してしまうと楽になる分、運営者の関係性という点では薄れてしまう部分もあると思うので。

そういう意味で、学生であるOLKが、これまで長く調査を続けてきたというのはすごいことだと思います。

 

高見澤:調査はもはやOLKの年間行事と化していますからね。

 

西脇さん:ただ、最初調査をやるぞ、と決めるところまでのハードルは高いと思います。もっともこれまで調査をやらないという決断をできた(OLKの)期はいないけれど。

 

高見澤:僕らも最初のころに、大会を開くか、調査をするかということの投票を一応やりはしたんですけど…

 

西脇さん:それも昔からだね。

 

高見澤:そう、やりはしたんですけど、結局、運営経験のない人たちからすれば投票の時点では大会運営とか調査のことが良くわからないので、「まあやるでしょ」みたいな感じで。やってから大変さに気づくというのはあると思います。

 

西脇さん:自発的に大会をやりたい、という場合だけではなくて、同期の人数が少なくて大変だけれど、来年以降につなげるためにやらなきゃいけない、そういうモチベーションでやる期もあると思うけど、今年はどっちだったの?

 

高見澤:そこは自発的に、すんなりと決まったのかなあと。

 

西脇さん:意外と39期は人が少ないと聞いたけど。

 

―少ないと運営を回すのが大変ということをあまりわかっていなかったのかもしれないですね。その上で、渉外が大変だったり、新しい取り組みなどもあったので、個々人の負担は大きくなってしまったのかなと。

 

西脇さん:ポストも90個、コースも多かったよね。ただ、多くのコースでウイニングタイムが当たっていたのは良かったと思います。

 

―公認大会として見た時にはどうでしたか?

西脇さん:個人的には、公認大会だから、ということにこだわりすぎるのはよくないかなと思っていて。

公平性には気を使うべきですが、大会としてどうあるべきというのに、公認大会だからどうこうという意識はあまりいらない、むしろなくしていければと思います。

 

―なるほど、そういう意味では今後の公認大会の広まりというか動きには注目していきたいところですね。お忙しい中ありがとうございました。


いかがでしたか?インタビュアーとしては、長年オリエンテーリング界に携わってきた西脇さんのお話を聞いて、改めて大会を運営すること、そしてOLK大会について考えさせられるきっかけになりました。

 

特に最後の、「公認大会であることにとらわれなくてよい」というお話が印象的だったのですが、読者の皆さんはどうお考えになりますか?

 

それでは今日はここまで。あと数回は更新できるかも…?ということで、次回の記事を気長にお待ちください!!

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