金沢財産区の議長を務めている原田清司です。
金沢で生まれて、高校を卒業するまでこの地区に住んでいました。
大学は東京の大学に行きましたが、長男ということもあり、就職の際に地元に戻りました。 それ以来、65過ぎの今までずっと金沢地区に住み続けています。
金沢財産区議員に選出され、選挙で金沢財産区の議長になりました。今は、議長になって2年目、ちょうど折り返し地点です。財産区には議員が七名在籍しており、議長は対外的な仕事をします。

金沢財産区民の協力のもとに、先祖から受け継がれた山林の管理、金沢財産区の財産（所有地・基金等）又は公の施設の運営から生まれ得たものを、金沢地区の文化及び福祉等に幅広い活動に役立てる事を目的とし、将来も先人の意志を崇び協力して緑豊かな金沢の山を守り育て、地区の更なる発展に寄与できるように事業展開する組織です。

例えば、財産区には林野議員が統括する林野委員という組織があります。
林野委員は山の状況を見ながら、整備の計画を立て、区民は賦役という形で、山での作業に参加します。そうやって、山を整備することで、山林が持つ水源涵養機能・山地災害防止機能・地球温暖化防止機能・森林の生態系確保が守られてきました。
他にも、国有林関係を担当する総代など様々な議員がいます。

レクリエーションの１つの形態だと思ったので、この山でいいのかなというのが第一印象でした。そう思っていたら、規模も大きく、競技性の高い大会だと分かったので、地域活性化の期待も込めて、財産区としてお手伝いしようということになりました。
全国から来る参加者にこの金沢を知っていただきたいと思っています。それから、地域の子供たちが体験会に参加したり、大会の様子を見たりして、地元の緑豊かな山林に愛着を持ってくれればと思っています。

山の神の祠には行きましたか？
昔、犬養毅が富士見の別荘に住んでいました。書家であった犬養が良い硯があると聞いて、伊那に向かう際、金沢山を通ることになりました。そして、金沢村はおもてなしとして、紅葉の名勝地で宴会を開くことになりました。その記念として、金沢全体の森林の安全を祈願するための祠を建立しました。
その近くには、武田信玄の金山があります。山林内には地元の研究会が設置した金沢の歴史を紹介する看板もあります。
この山は金鶏金山と呼ばれていますが、その名前の由来もこの金鉱です。武田信玄の甲州金２４万両の金山のひとつであり、鶏の羽の形をした大きな鉱脈が見つかりました。その鉱脈は掘り起こされましたが、もう片方の羽の鉱脈は残っているのではないかという言い伝えがあります。これが金鶏金山の由来です。
私が書いた地図の題字の「金」の文字は、冠の左側を細くしているんです。それは、右側は発見された鉱脈を意味し、長く太く、左側はまだ見つかっていないという意味を込めて細くしたんです。

木の成長や伐採があって、少し見た目は変わったかな。それ以上に時代の変化を感じます。
私たちの時代にはゲームなんてなくて、ガキ大将の下、みんなで山に集まって、遊んでいました。幼い子はみんなで面倒をみて、子供なりの責任感を身につけていったように思います。中高生になると、部活をして、山でみんなで集まって遊ぶということはなかったけれど、大学生になり都会で暮らすと、緑豊かな自然のある金沢に愛着を感じるようになりました。だから、金沢に戻って家を継ぐことに違和感はありませんでした。
でも、今の子供たちにはそういった愛着をあまり感じていないのかもしれません。ですから、我々の仕事の一つは緑豊かな金沢山を維持して、子供たちの地元への愛着を醸成することだと思っています。
また、今回のように、イベントを通して、山の魅力を子供たちに伝えたいと思っています。

町のおすすめの場所は、金鶏の湯かな。
金鶏金山の魅力は、やはり景観の良さです。金鶏金山内の林道に展望台があり八ヶ岳一望できるし、富士見パノラマリゾートのゴンドラで入笠山の方から登ってもとてもきれいな景色が見られますよ。

ぜひ、金沢の自然豊かな森で思う存分競技をしていただき、緑に囲まれた金沢山で充実した時を過ごしていただければと思います。金沢財産区は皆さんを応援しております。