自然の中を地図とコンパス(方位磁石)でナビゲーション

 オリエンテーリングを学校の遠足等で経験したことがある方も多いと思いますが、それはグループで楽しく歩いて途中でクイズに答えたりしませんでしたか?それもオリエンテーリングの1つの形ですが、本来は所要時間を競うもので、世界選手権やワールドカップもある本格的なスポーツです。
 ハードな一面もありますが、基本的には誰でも自分のレベルに合わせて気軽に楽しめるスポーツでもあります。

 オリエンテーリングというのは、北欧生まれのスポーツです。
 「オリエンテーリング」は、英語の Orienteering の読みですが、略称としてよく使われる「OL」はドイツ語の “Orientierungs Lauf” の O と L に由来しています。ドイツ語での “Orientierungs” は「方向を定め」、 “Lauf” は「走る」という意味です。日本ではハイキング+αのように思われることも多いですが、結構ハードに「走る」スポーツだったりします。しかし、自分のペースで楽しむこともできます。

 競技は、コンパス(方位磁石)と競技開催者が準備する専用の地図を使い、地図で指定された地点(コントロールと呼びます)を廻り、スタートからゴールまでの所要時間を競います。より短時間で指定されたすべてのコントロールを指定された順に廻ってきた者が勝者となります。

 オリエンテーリングの特徴は、「廻るべきコントロールの位置は指定されているが、コントロール間の経路(ルート)は指定されていない」ということです。競技者は、コントロール間の経路を自分で決定します。つまり、ひとりひとり通るルートが異なり、自分でナビゲーションをしてコントロールを目指すということが、オリエンテーリングならではの大きな特徴だといえます。
 オリエンテーリングを行う場所(テレインと呼びます)は、あまり傾斜が急でない丘陵地帯や高原等の自然の中です。経路は決まっていないので、より速いと思えば道を走るだけでなく、森や藪を突っ切ることもあります。
 オリエンテーリングには専用の地図(O-MAP:オーマップ)を使用します。O-MAPには世界共通の専用の地図記号が定められていて、それに従って描かれています。基本的には、地形図ですが、普通の地図のように地名や山の名前等は描かれていません。しかし、普通の地図には無い、森の中の通り抜け易さや地形の詳細な形状等が表現されています。

△がスタート
○がコントロール
◎がゴール
数字は廻る順番

コントロールについて

 コントロールは、地図と地形等から明確に識別できる場所(特徴物と呼びます)に置かれます。コントロールの識別番号と特徴物の大きさや方角を示す位置説明はスタート前に公開されます。また、コントロールが置かれる場所には、目印となるフラッグと通過証明のためのユニットというものが設置されています。
 また、コントロールは地図上で示された円の中心に設置します。宝探しではないので、円の中心に到達すれば、必ず見つけることができます。

 コントロールフラッグは、写真のように30cm×30cm程度の大きさの左上が白、右下がオレンジ色の三角柱状になった旗が設置されます。そして識別の番号(写真では56)も掲示されています。

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