調査者たち〜調査あれこれ③〜

こんばんは。イヤホンが断線して片耳しか聞こえなくなって落ち込んでいる中の人です。

 

今日はまたまた地図調査について。

 

前回、前々回の記事では、調査の概要と、そこで行われる作図作業についてお話ししました。

 

…といっても、調査が具体的にどんなものなのか、まだまだイメージが湧かないと思います。例えば私たち運営者が、調査でどんな一日を過ごしているか、想像がつきますか…?

 

そんな調査者の一日を、ドキュメンタリー風に笑お伝えするのが今日の記事です。それではどうぞ!


午前7時。調査者たちの朝は早い。

 

起きるのが得意な者、起床時間になってもなかなか目を覚まさない者。誰に対しても朝は平等にやってくる。

 

眠い目をこすりながら卓につく。ごはんとお味噌汁の朝食を終えたその時から、調査の一日は始まっている。

 


調査者たちが朝、決まってすることがある。

 

その日の調査スケジュールの確認だ。

 

 

「また一日中修正調査か…」

 

「やった、今日は午後はコース試走だ」

 

思い思いの感想を口にするとともに、出発と帰りの時間を確認する。

 

朝食後から出発までは、時間との闘いである。山に入るための着替えはもちろん、作図をする人は、その日の調査で使うボードを完成させなければならない。

 


「1便出まーす」

 

会館ドライバー(=その日一日、調査で使う車の運転を任される者)の声で、1便で山へと出発する予定の調査者たちは重い腰を上げる。

 

調査で使うボードやシャーペン、昼食のおにぎりやおやつ、気温や天候に合わせて雨具や防寒具。

 

一度テレインに向かえば数時間戻ってくるのは難しいだけに、荷物の確認は怠らない。

 

9人乗りのハイエースが調査者でいっぱいになり、ドライバーが車を発車させると、調査者は会館としばしの別れを告げる。


 

車内では、こんな会話が交わされていた。

 

「拠点4で」「拠点1の方って行く予定ある?」「拠点3に行くの分岐でお願いします」

 

テレイン内で、車から降ろしてもらう位置について話しているのだ。

 

調査をする範囲によって、調査者がテレインのどこに向かうかは様々である。それに対応するために、テレイン内にはいくつか「拠点」と呼ばれている地点が設定されている。

 

全ての調査者が行きたい拠点を通るようなルートを考えるのも、会館ドライバーの役目である。

 

高度な運転技術だけでなく、テレイン内の道を知り尽くしている者にしか、務まらない仕事だ。


車から降りた調査者は、テレイン内に向かう。

 

作図をする者であれば、昨日作図したところの続きから。コース試走の者であれば、スタート地区に。皆それぞれに散っていく。

 

こうなってしまえば、あとは一人である。地形を見て、コンパスを振り、距離を測る。シャーペンでボードに書いては消し、書いては消しを繰り返す。

 

作業の進め方も、昼食のタイミングも、決めるのは全て自分一人である。作図は、超究極の個人作業だ。


「ピロン♪」

 

LINEの軽快な通知音が鳴り響くと、調査者は手を止め、携帯を取り出した。

 

調査のスケジュールの変更は、調査者が入っているLINEグループを通じて行われる。重要な連絡がされることもあるため、調査者は通知音をオンにして山に入るのだ。

 

一人で山の中にいる孤独から解放される、束の間の瞬間。連絡を確認し終えた調査者は、また作業へと戻る。


日が傾き、時計の針の進みが遅く感じられるようになる頃、ようやく調査は終わりの時を迎える。

 

回収されたい拠点の位置を連絡して、帰途へつく。

 

 

「なんというか、自宅に帰ってきた感じ」

 

拠点で待機し、迎えの車に乗って会館に帰ってきたときの安心感を、ある調査者はこう語る。


クリーンの清書や試走の報告を終えると、調査者たちはしばしの休息となる。ゲームに興じる者もいれば、歓談を楽しむ者、昼寝に勤しむ者、その姿は様々だ。

 

 

やがて風呂へ行く時間になる。

 

汚れを洗い流し、大きな湯船に浸かって、1日の疲れを癒し、明日への活力を蓄える。

 

調査者たちの顔も、心なしか穏やかだ。


何度か車が往復し、全員が風呂を済ませると、やっと夕食の時間になる。

 

 

ご飯をお代わりする列ができては消え、満腹になった調査者たちは席を立つ。

 

食器を洗い終えると、あとは就寝までは自由。調査で最も心休まる時間が訪れる。

 


夜の11時にもなると、寝袋にもぐり込む調査者の姿が見られるようになる。

 

 

仕切りなどない会館の中で、自分のスペースを確保し、眠りにつく調査者たち。

 

そんな裏で、黙々とパソコンに向き合う者もいる。

 

作図責任者や渉外責任者、広報担当など、大会の仕事を任された者たちだ。

 

彼らの中には、翌日調査者として山に入る者もいる。それでも、おのれの仕事を終えるまではと、眠い目をこすって頭をひねり、キーボードをたたく。

 

 

調査者の夜は、時に長い。


いかがでしたか?

 

調査中、調査者たちは基本的に毎日上のよう日々を過ごします。

 

精神的にも、肉体的にも厳しい環境であることは否定できませんが、地図を完成させるためにはもちろん、仲間と寝食を共にし、絆を深める大切なイベントである調査。

 

このシリーズでは、引き続き、調査についての記事をお届けしていく予定です。お楽しみに!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です